みなさんは動物園にいくと温泉に浸かり、なんとも気の抜けた表情を浮かべるカピバラ見たことはありませんか?
彼らのその気の抜けた顔からは今から解説する彼らの絶望的なハードな人生を想像できないでしょう。
この、なんとものほほんとした生き物は、げっ歯類の中でも最大種であり、体長1.3メートル、体重60キログラムほどの巨大なネズミです。
カピバラは、太った体と短い脚、そして出っ歯という、人間であれば大多数の人が避けたいであろう体型を持っています。しかしその一方で、意外なことに、彼らの身体能力は非常に高く、水かきのある手足で水中を泳ぐことができます。特に敵に襲われた場合など、急いで水中に逃げ込み、なんと5分以上も潜水することもあります。
さらに驚くべきことに、カピバラは水中だけでなく陸上でも時速50キロメートルで走ることができます。しかしこのような全力疾走は、皮肉にも命の危険に迫られているという彼らにとっての絶望の瞬間、天敵から逃げる時に頻繁に目撃されます。
そして、カピバラと言えば、彼らは非常に温和で優しく、争いごとを嫌います。危険を感じると、大人のカピバラたちは子供を取り囲んで守る優しい一面も見せます。
このように、カピバラは天敵から逃れるために陸上と水中の両方に適応していますが、彼らには予測できなかった最悪の事態が待ち構えていました。それは、水陸空のどこに逃げても彼らには天敵しかいないという状況です。
カピバラは南アメリカのジャングルに生息し、ジャガーやピューマといった絶対的な天敵が存在します。陸上での天敵から逃れたカピバラは、急いで水中に逃げ込みますが、水中にはワニやオオアナコンダなどの捕食者が待ち構えています。さらには、空からも全く関係のないコンドルなどの鳥が襲ってくることもあります。
そのため、人間の飼育下では十年以上生きることができるカピバラですが、野生ではほとんどが四歳を迎える前に命を落としてしまいます。そして悲しいことに、安全だと思われた動物園でも、暴食という欲に取り憑かれたヤバい鳥のペリカンに襲われることもあります。
カピバラは、もはやどこに逃げても安全な場所は存在しないという悲しい運命を背負った生き物なのです。
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