埃の塊の妖精のような生き物はナマケモノといい、指の数が異なるミユビナマケモノとフタユビナマケモノに分類されます。
一般的にイメージされる温厚で弱いナマケモノは、今回ご紹介するミユビナマケモノですが、それと比べてフタユビナマケモノは意外にも活発的で近づくと発狂じみてブチ切れることすらあります。
ミユビナマケモノはあまりにも動かないため、周囲から動物だと認識されないことが多いです。
しかし、動かないことがナマケモノの生存戦略でもあります。
フタユビナマケモノの一日の食事は約8gの葉っぱで、これ以上食べると消化吸収が間に合わず、餓死することがあります。
ミユビナマケモノは食事以外の時間は樹上で動かずに寝ています。
そのため、ジャガーやピューマなどの地上の敵には見つからず、動かないという生存戦略は非常に合理的であると言えます。
しかし、ナマケモノの敵は地上だけではありません。
それはヤバいほどに怖い顔のオウギワシが襲ってきます。
フタユビナマケモノの動かない生存戦略も、残念なことに世界最強の猛禽類オウギワシには効果がありません。
そこでミユビナマケモノは首を280度回転させるという、とんでもなくどうでもいい能力を活かし、いち早くオウギワシを発見します。
しかし、素早く発見したところで、全く何の意味もありません。
オウギワシから逃げることも戦うこともしません。
なぜなら、ナマケモノは激しく動くと熱エネルギーに身体が耐えきれず、魂ごと燃えてしまうからです。
そのため、正々堂々と待ち構え、秒でオウギワシに連れていかれます。
見つかったら終わりの生き物、ナマケモノです。
しかし、ナマケモノはそれが彼らが導き出した最善の生き方なのです。
彼らは彼ら自身の動きだけではなく、
時の流れはゆったりとしたもので、焦ることもできずただただ動かず時を過ごします。
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